2019年アルゼンチン共和国杯 全頭評価。その3。転厩初戦を克服できればハッピーグリンにもチャンス。

<トラストケンシン>心肺機能は低く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2019年秩父特別”ではほぼ平均バランスを最後方から、稍重表記の割に流れてバテ差しが届いて1着。”2019年むらさき賞”ではスローバランスを中段の後ろから、トップスピードの質で見劣り4着まで。”2019年垂水S”ではハイペースバランスを後方から、4コーナー中目を回して直線ややスムースさを欠き5着まで。”2019年六社S”ではスローバランスを中段のやや前から、1着アフリカンゴールドと同じ位置から直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り2着まで。

「アルゼンチン共和国杯へ向けて」好材料:コース適正、休み明け2走目。悪材料:クラス負けの危険。

トップスピードの質はまぁまぁで高速馬場を後方からでは届かないことが多い、むらさき賞でフランツに後ろからあっさり交わされているし、スムースさを欠いたとはいえ垂水Sでもアイスストームにははっきり見劣っている。秩父特別のような展開が理想的で、バテ差しが得意パターンになりそう。六社Sは2着と好走したが、あまりレベルの高いレースではなかったし、アフリカンゴールドにトップスピードの質で見劣ったのは印象が悪い。

好材料はコース適正で、前走の六社S2着だけでなく昨年の南部特別も3着だった、ただこの時はオジュウチョウサンが1着で0.8も離されているから高評価までは出来ないかな。休み明け2走目なので上積みは期待できると思う、非ノーザンF生産馬で前走がプラス6㎏なので、一叩きされてピリッとすればチャンスはあるかも。悪材料は古馬重賞が初めてなのでクラス負けの危険、斤量の恩恵でどこまで克服できるか。

<ノーブルマーズ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はない。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。・休み明けは良くない。

”2018年ジャパンC”では高速馬場をハイペースで先行して直線失速。”2018年アルゼンチン共和国杯”では休み明け、高速馬場でトップスピードの質で見劣り。”2018年目黒記念”では前半ややスローから4F戦になりトップスピードの質よりも心肺機能を問われて2着。”2018年宝塚記念”ではややハイペースバランスを中段の最内から、L2最速戦を4コーナーで前のミッキーロケットの後ろからスムースに抜け出し3着、稍重のハイペースバランスでトップスピードの質が問われなかったし、持続力は高い物を見せた。”2019年日経新春杯”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、4コーナースムースに回してバテ差したが4着まで、後ろからルックトゥワイスに差されたのは印象悪い。”2019年京都記念”ではスローバランスを中段のやや前から、直線やや前が壁になるシーンがあったが、その影響はほとんどなく凡走してしまった、脚を余して負けたのではなく苦しくなって投げ出した感じなので、昨秋以降4戦目で疲労の影響かも。”2019年鳴尾記念”ではスローバランスを中段から、直線はジリジリで伸びず、休み明けの影響かも。”2019年宝塚記念”ではスローバランスを中段の後ろから、スタートで前に行かずに後方から、4コーナーで外を回して距離ロスが大きく届かなかった、L1は伸びていたので位置とコース取り。”2019年小倉記念”ではスローバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線入り口で先頭に並んで粘ったが、外からメールドグラースとカデナに差されて3着。”2019年京都大賞典”では平均バランスを中段やや前の最内から、3,4コーナー最内を回し手直線粘って4着、間隔空けた分トップスピードの質が鈍った感じ。

「アルゼンチン共和国杯へ向けて」好材料:間隔開け2走目、コース適正。悪材料:特になし。

まず2019年日経新春杯の4着から振り返ると、この時はハイペースバランスを中段の後ろから、4コーナースムースに外を回してバテ差すところを、後ろからルックトゥワイスに差されている。持続力は見せたがルックトゥワイスに差されているのはいただけない。その前になると昨年の宝塚記念3着、稍重でハイペースバランスを中段の最内から、4コーナーですぐ前のミッキーロケットが道を作ってくれたので、最短コースでスムースだった。バテ差しの持続力は十分あることは見せているが、トップスピードの質と瞬発力は低い、心肺機能が意外と高いので流れた方が良いタイプですね。2019年小倉記念では先行して3着に粘り込んだ、ただ4着が55㎏のタニノフランケルと鼻差なので、あまり評価はできない。この馬はタガミFの生産馬なので休み明けや間隔空けると良くない。

この間隔空けてイマイチだったのが2019年京都大賞典で、終始最内を回して距離ロスが無かった割に直線離されてしまった、間隔空けてトップスピードの質が鈍った感じだったが、心肺機能はまぁまぁだったし持続力は見せた。

好材料はコース適正で、昨年の目黒記念2着がある、昨年のこのレースは休み明けで凡走したので度外視で良いと思う。間隔空けると良くないのは昨年のこのレースも含めて再三見せていて、前走も2か月の間隔開けで絶好の展開にも関わらずピリッとしなかった。今回は中1か月で絶好のローテーション。悪材料は特になし、騎手が騎手だけに成績が安定しないが、今回は好材料が非常に多い。

<ハッピーグリン>・心肺機能はまぁまぁでパワーは有る、瞬発力が低い。

・トップスピードの質は高くないが持続力は高い。

“セントポーリア賞”ではスローバランスを中段の後ろから、3F戦を直線外から差し切り。”スプリングS”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、3F戦になっているが坂で明確に落として8着。”プリンシパルS”では平均バランスを後方から、3F戦を外から伸びたが4着、休み明けのブレステイキングにトップスピードで見劣り。”2018年富士S”では平均バランスのハイペースを後方から、トップスピードの質で見劣り11着。3F戦よりも消耗戦の方が合うかも。”2018年ジャパンC”ではスローバランスを中段から、終始最内でコースロスなく乗ったが直線でトップスピードの質で見劣り7着まで、持続力は見せている。”2019年中山記念”ではややハイペースバランスを離れた追走集団の中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びず、トップスピードの質で見劣り、この時が休み明け。”2019年日経賞”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに粘って4着、トップスピードの質では見劣ったが持続力を生かした。”2019年札幌日経OP”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー大外を捲くって2着まで、先に仕掛けた分真後ろに居た1着カフジプリンスの格好の目標にされてしまった。”2019年毎日王冠”ではスローバランスを中段の後ろから、トップスピードの質で見劣り凡走、距離が短く後方からになり適性と合わなかった。

「アルゼンチン共和国杯へ向けて」好材料:距離延長、コース適正。悪材料:テン乗り。

デビューは門別だったが中央で活躍していて決してダート専門ではない、芝ではトップスピードの質で見劣るシーンが多いが、持続力では十分勝負になっている。それを見せたのが2019年日経賞で、すんなり先行出来たことで持続力を生かして4着まで粘った。すぐ隣に居たサクラアンプルールにはトップスピードの質で見劣ったが、ゴーフォザサミットやクリンチャーを抑えきったのは高評価。トップスピードの質が足りない馬なので前で勝負しないとダメなんだけど、中山記念までは中段の後ろからの競馬になってしまっていた。

ジャパンCが最たるもので中段からになり同じ位置に居たサトノダイヤモンド、シュヴァルグランには明確にトップスピードの質で見劣った、それでも持続力は見せて7着はメンバーを考えれば立派だし、この馬の走破時計2:22.2は従来のレコードタイムだから、心肺機能もまぁまぁの評価をすべきだと思う。もちろんこの心肺機能は前半が速いハイペースバランスでは良くないんだけど、中盤からのロンスパには十分対応できる。社台F生産の地方厩舎所属という馬なので、休み明けはピリッとしない。中山記念は後方からになって乗り方の問題もあるが、それでも粘りが足りなかった感じ。2019年栗東長谷川厩舎に転厩。

好材料は距離延長で2500mは日経賞で0.6差4着、3着のサクラアンプルールとは0.2差だからこの辺の距離は合っているんだと思う。この距離ならトップスピード戦になる可能性は低いし、自慢の持続力を生かせる可能性が高い。コース適正はジャパンCで1.6秒離されたが好タイムで7着があるし、流れてしまえばチャンスはあると思う。55㎏の斤量も日経賞4着時と一緒で、前走から1㎏減と好材料。悪材料は特になく、転厩初戦と乗り替りでテン乗りになることぐらい。