2019年日経新春杯 回顧

合わない馬場をものともせずディープ産駒のグローリーヴェイズが1着、2着は惜しいルックトゥワイス。
大川慶次郎のパーフェクトの理由?
【無料】お試し大川慶次郎情報


走破時計2:26.2 前半1000m58.3 上り3F37.7

L12(12.6) L11(10.7) L10(10.8) L9(11.8) L8(12.4) L7(12.6) L6(12.9) L5(12.8) L4(11.9) L3(12.2) L2(13.1) L1(12.4)

まず馬場状態ですが前回の記事でも書いた通り良馬場なのに激重です。勝ったグローリーヴェイズの上り3Fは36.8とこれで2番時計。終始中段のインコースで足を溜めたグローリーヴェイズでこの上りなので、重馬場くらいの重さはありそうですね。

展開は予想通りというか、それ以上にメイショウテッコンが大きく出遅れてしまいました。前回の記事では触れませんでしたが、アイトーンが何が何でも逃げる構えで、なんとスタート後500mにわたって追いっぱなし。これでは逃げられても勝負にはならない、こういう競馬は無くなって欲しいですね。

1コーナー辺りでやっと隊列が決まりました、アイトーンが逃げ、サラス、ロードヴァンドールが続きます。4番手の内にエーティーサンダー、外にガンコ、その後ろにアフリカンゴールド、シュペルミエールの内にムイトオブリガード、外からウィンテンダネが先団に取り付き中段を形成。その後ろのイン側に勝ったグローリーヴェイズ、外にノーブルマーズ。ケントオー、ルックトゥワイス、メイショウテッコン、マサハヤドリームという並びでした。

このレースのポイントは2つ、1つ目は1000m通過が58.3と馬場を考えれば信じられないほどハイペースになったことです。1200m通過で見ても70.9ですから完全な前傾ラップです。この原因はアイトーン国分の無謀な逃げ、スタート後500m地点は丁度ゴール板なのですが、間違えているのかというくらい追いっぱなし。こうなるとペースは速くなりますよね。結局自分がどんなペースで走っているのか、いわゆる体内時計が正確ではないのでしょう。今日の馬場でこんなハイペースで逃げ切れる馬は世界広しといえど居ません。絶好調時のキセキでも無理です。ちなみに驚異的なレコードタイムが出た2018年ジャパンCの1200m通過タイムは71.7秒です。

この無謀なハイペースのあおりを食ったのが先行勢です、先行集団に居たサラス、ガンコ、アフリカンゴールド、スタート今一歩から向う正面に出たところで、早目に上がって行ったウィンテンダネがこのペースに巻き込まれて惨敗。先頭集団に居て頑張ったのは5着のエーティーサンダーですが、斤量51㎏とインコースに居たことが好走要因でしょう。

そしてこのハイペースに気づいたのか、向正面の中ほどでペースが大きく緩みます。L7、L6、L5の部分、ポイント2ここを見逃さずに捲って行ったのが武豊騎手です。このペース判断の正確さは驚異的です、ウィンテンダネが上がって行ったのは向う正面に出てすぐ、L9(11.8) L8(12.4)の地点、ここで上がってはさすがに苦しいですね。豊騎手はこの動きに釣られずに動きませんでした。

で、このメイショウテッコンの捲りでL4からペースが上がります、しかしここは下りなのでペースが上がってもあまり影響はない地点ですが、内と外を回した組では大きな差が生まれます。パトロールビデオを見てもらえれば分かるのですが、勝ったグローリーヴェイズと2着のルックトゥワイスには前後で見ると1馬身ほどしか差が無いのですが、横の比較で見ると3頭分外を回されています。この3頭分がゴールでの1/2差になったと思います。



では1頭ずつ見て行きます。

1着はグローリーヴェイズ、この馬はスタートが不安定で出遅れてしまうこともあるのですが、ミルコだと上手く出るんですよね~。絶好のスタートから周りのペースが速いと見るやすかさず中段まで下げる辺りは、さすが1流騎手ですね。このペース判断で8割方勝ったようなものです。決してディープ産駒に合う馬場ではないと思いましたが、絶妙なペース配分と終始インコースでじっと足を溜めた好騎乗でしっかり勝ち切り。特に目を引いたのは4コーナーでの位置取りです、直線で前が壁にならないようにしっかり進路を確保する。ミルコにとって当たり前かもしれませんが、これが出来る日本人騎手は2,3人です。

こういった馬場で好走できるグローリーヴェイズは、ディープ産駒の中でも珍しいパワーと心肺機能を兼ね備えたタイプだと思います。昨年引退したサトノノブレスのようなタイプになりそうです。

2着はルックトゥワイス、枠がね~。惜しい競馬で重賞勝ちのタイトルに手が届きませんでした。4コーナーでペースが上がった時に外を回らされた分ですね。こういう激重馬場が得意なステゴ産駒なので、距離はもっと長くても大丈夫だと思います。レインボーラインに近いタイプかもしれませんね。しっか休養してからの話ですが、日経賞や大阪杯を使ってから天皇賞春に出走してくれば狙ってみたいですね。

3着はシュペルミエール、こちらもステゴ産駒でこういう馬場は合いますね。ルックトゥワイスほどではありませんが4コーナーで外を回らされてしまい、直線は伸びきれず。騎手不安を書きましたが特に目立ったミスもなくそつなく乗りましたね。前走2番手からの競馬でしたが、今回は中段のやや前というポジションで無理をしなかったことが良かったと思います。準OPを2走使って3走目の格上げ戦だったので、やや疲労もあったと思います。こちらもしっかり休んで次走に期待ですね。

4着はノーブルマーズ、高速上がりが使えないので馬場が重くなって出番が来ましたね。宝塚記念3着時も稍重で前半が速い消耗戦でしたから、こういう展開は合うんですね。4コーナーからシュペルミエールを目標に伸びましたが、ルックトゥワイスにはあっさり交わされているように力はやや落ちます。宝塚記念のように内を上手く立ち回って、展開が嵌ればという感じですね。

5着はエーティーサンダー、4コーナーからのコース取りが全てですね。前のアイトーンが下がってきそうだったので、すぐ前に居たサラスが外に行きます。サラスも苦しくなると見たのか4コーナー出口でサラスの外に行ってしまうんですね。これで勝負権を失いました。勝ったグローリーヴェイズはサラスの内に進路を取っていますから、これが騎手の差ですね。51㎏とは言えこの馬場、展開で好走していますから距離はもっと長い方が良いかもしれません。ダイヤモンドSで軽ハンデなら面白いかも。

6着はムイトオブリガード、記事にも書きましたがやはり間隔開け過ぎですね。川田君は上手く乗ったと思いますが、本調子ではなかったと思います。次走間隔開けずに京都記念辺りに出走するようなら期待できます、今回の凡走で人気を落としてくれたら更に期待できますね。

記事通りハンデ戦なので手を出しませんでした。で、買ってたら当たった・・・。

”買わないと当たる”法則を発動させてしまいました。まぁ、AJCCへ向けていいウォーミングアップになったと思っておきます。

にほんブログ村

競馬コラムランキング