2019年スプリンターズS 回顧。新王者誕生。


走破時計 1:07.1  前半600m 32.8  上り3F 34.3

まずは馬場状態から、良馬場で行われ走破時計も想定通りの1分07秒1というものでした、超高速までは行きませんでしたが超高速寄りの高速馬場でしたね、これも想定通りでした。この馬場であわやの6着に来たダイメイプリンセスには驚かされたので、高速馬場適性を評価しないといけませんし、坂が苦手という評価をしてしまいましたが、これも訂正しないといけません、まぁ坂では失速してはいますけどね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回のレースラップ、赤は2019年カーバンクルS、緑は2018年ラビスラズリSのレースラップです。

このレースラップから分かるのはモズスーパーフレアの特性ですね、この馬は前半のペースが速かろうが遅かろうが、上がり3Fで使えるスピードは34秒台前半が限界という事です。今回の上り3Fが34.4、カーバンクルSが34.2、ラビスラズリSが34.1です。こういうタイプは今回のように前半から飛ばすだけ飛ばして、後続に脚を使わせたうえで粘り込むしかないんですよね。ラビスラズリSの時は前半抑えてしまい、後続に楽をさせてしまうから差されてしまったんですね。

逃げたのはモズスーパーフレア、マルターズアポジーが続いて内からセイウンコウセイ、外からイベリスとファンタジストが先行勢。ダノンスマッシュ、ディアンドル、ミスターメロディーが中段の前からで、これを見るようにタワーオブロンドン、外にダイメイプリンセス。中段の後ろからリナーテ、ノーワン、後方からアレスバローズ、レッツゴードンキ、ハッピーアワーという並びでした。

序盤意外に頑張ったのがファンタジストで、休み明け3走目の疲労からスタート出ないかなと思いましたが、豊騎手が上手く出して行って先行させましたね、結構ヒヤヒヤしました。何しろ昨年3着のラインスピリットだけを買えずに3連単20万円を取り逃しているので。イベリスが居てミスターメロディーの位置取りは想定通りでしたね。レッツゴードンキはスタート良かったのになぜか下げてしまいましたね、岩田騎手はどうもレース勘が悪い感じですね。

タワーオブロンドンの位置は想定通りで、ダノンスマッシュを見る位置でした。外にダイメイプリンセスが居たのは想定外でしたが、周りに馬が居なかったのでルメール騎手も冷静でしたね。ディアンドルが道中ズルズル下がってしまうんですよね、3コーナーへの入りで逆手前だったように見えましたが、その影響なのかどうか。みややだけではちょっと確信が持てないので、どなたか手前に詳しい方いたら教えてください。

4コーナーから直線入り口です、ここでミスターメロディーが予想通り内に切れ込んで来ます、前をカットされたのはファンタジストで、これが引き金になった感じでズルズル後退しました。外からダイメイプリンセス、タワーオブロンドンがスムースに進路を確保できたのとは対照的に、ダノンスマッシュはまだ前にイベリスやダイメイプリンセスが居ました。

セイウンコウセイは下がってくるファンタジストの後ろになってしまいましたが、凡走の理由はそれだけではない感じですね、この辺りで手応えが怪しくなっていました。イベリス辺りもこの辺りで一杯になっていたので、セントウルSでスパーレーコードの中を好走した3歳馬は、疲労が抜けなかったのかもしれませんね。

直線L1標識付近です、モズスーパーフレアが頑張っているところに外からタワーオブロンドンが掴まえに行きます、ミスターメロディーはこの辺りからジワっとモズスーパーフレアに引き離されてしまいます。特に混乱もなく各馬スムースな進路確保が出来ています。ダノンスマッシュはこの地点ではタワーオブロンドンのすぐ後ろに居ます。

直線残り70m付近です、ここでダノンスマッシュとタワーオブロンドンの差が3馬身近くに広がっています。L1標識から残り70mまでは急坂ですから、ダノンスマッシュは坂で加速できないタイプだということが分かりました。予想の段階から懸念していましたが、これではっきりしたと思います。ダノンスマッシュは残り70mの坂上の平坦部分で一気に差を詰めてくるので、持続力も1級品ですね。コース適正は良くないと思いますが、中京や東京で勢いを付けて坂を上ってから、最後の1Fで勝負できるコースなら克服できそうな気がします。

では1頭ずつ見て行きます。

1着はタワーオブロンドン、理想的なポジションから圧倒的な爆発力で前を飲み込んでしまいましたね、レッドファルクスのような感じを受けました。ルメール騎手なので騎乗に文句があるはずもなく完璧でしたね。この馬は1200で覚醒したように言われますが、京王杯SCを勝った1400mはもちろん、マイルでも十分やれる馬だと思うので、怖がらずにマイルCSに出てきて欲しいですね。もちろん外目の枠が条件ですが。

2着はモズスーパーフレア、これが持っている騎手とそうでない騎手の差なのかな~、騎乗自体は完璧で非の打ち所もないものでした。ただ1頭凄いのが居た。ラップグラフのところで書きましたが、とにかく前半から飛ばせるだけ飛ばすのがこの馬を好走させるポイントなので、今後も怖がらずにハイペースの逃げを打って欲しいですね。

3着はダノンスマッシュ、やはり内枠が仇となりましたね、それと坂が・・・。それでも3着を確保したのはさすがですし、勢いを付けて坂を上がってから、もう1F平坦が続く中京や東京では好走できるはず。来年へ向けてもう一段のパワーアップを期待したいですね。

4着はミスターメロディー、懸念通り右回りの不安が出てしまいましたね、直線入り口で内に刺さった分だけL1でスピードが鈍った感じでした。4コーナーで捲り気味に進出した福永騎手の騎乗、それに答えたミスターメロディーは十分評価すべきです。

5着はレッツゴードンキ、スタートが良かっただけになぜ下げてしまったのか不思議でなりません、岩田騎手の調子も良くない感じだし、モッタイナイレースになってしまいました。まだまだ力のあるところを見せられたので、今秋は期待できそうですね。

馬券の方は3連複、3連単ともに的中、3連複はトリガミでしたが3連単が補ってくれたので、トータルではトリガミを回避できました。この流れで10月も頑張ります。