走破時計2:33.3 1000m通過62.9 上り3F34.9
まずは馬場状態ですが良馬場でした、クッション値は標準、含水率は金曜からさらに乾き特にゴール前で10.6%ですから、かなり速いラップが出ました。その割には走破時計が物足りないのは、ジャコマルのペースに嵌ってしまったかですね。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は2019年有馬記念、緑は2019年有馬記念メイン集団のグラフ、紫は2020年エリザベス女王杯のグラフです。
今回ワールドプレミアが3着までだったのは、休み明けの分もあると思いますが、ラップからは消耗戦にならなかったことが原因でしょうね。2019年有馬記念では緑のラップを見れば分かる通り消耗戦になっていますね、ワールドプレミアは周りが苦しくなった時にバテ差すタイプで、速い上がりで差し切る切れ味鋭いタイプではない。今回はジャコマルのペースで進んでしまい、L2最速戦を容認してしまったので3着でも及第点でしょう。
1着ウインマリリンはL2最速戦で出し抜きを決めました、昨年のエリザベス女王杯でもL2最速戦を4着、上位3頭はラッキーライラック、サラキア、ラヴズオンリーユーですから、得意の形に持ち込めたことが好走要因ですね。向正面L5で一旦11秒台に入りましたが、3コーナーに差し掛かり再度12秒台にペースが落ちたので、前に行った馬にとってはかなり楽なペースだったはず。加えて4コーナーでジャコマルが内を空けてくれたので、全てが上手く運べた感じです。
逃げたのはジャコマル、ダンビュライトが外から2番手、ウインマリリンが内の3番手でここまでが先行勢。カレンブーケドール、ウインキートスが中段の前で、中段やや前からゴーフォザサミット。オセアグレイトとナイママが正面スタンド前で上がって中段の前と中段から。中段やや後ろから外に出せたのがワールドプレミア、中段の後ろからヒュミドール、ムイトオブリガード、サトノルークス、後方からアールスター、ラストドラフト、シークレットランという並びでした。
1週目のスタンド前でオセアグレイトが中段から押し上げて行きました、それまではワールドプレミアの外に居たので、これでワールドプレミアは外に出せました。これはワールドプレミアにとって大きかったですね。オセアグレイトは中段の前まで上がったところで折り合いました、このためにペースは上がりませんでした。ウインキートスが控えてマリリンの後ろを取ったのは意外でした、結果的にこの位置取りが仇となりますが、ラップ推移からはこの位置取りは正解だと思います。この馬も前走L2最速戦で良さを見せたので、不利がなければウインのワンツーもあったかも。
カレンブーケドールはいつも通り中段やや前から、ゴーフォザサミットがスタート決めて中段辺り。大きく遅れたのがアールスターでここで終ってしまいましたね。シークレットランも出遅れてしまい後方からでした。初手の位置取りで不思議な動きをしたのが三浦騎手ですね、スタート五分に出たにもかかわらず出して行く素振りも見せずに後方から、もう一人大野騎手もスタート五分に出ましたが、ジリジリ下げて中段の後ろまで下げて行きました。この2人は更に不思議な騎乗をしていて、向正面では馬群の一番外を走らせていました。1,2コーナーからの距離ロスを考えても、この騎乗は理解に苦しみます。
4コーナーです、L5で一旦11秒台に入ったラップがL4で12秒台に戻り、L3でも11.8とあまり上がりませんでした。ここからウインマリリンが出し抜きL2のラップは11.3、ジャコマルがなぜかインコースを空けてくれたので、ウインマリリンはスムースに加速しながら直線に入れました。田中勝春騎手は横山家に借りでもあるのでしょうか。ダンビュライトはこの時点で一杯になりました、L3から苦しくなっていたので体調が良くなかった可能性が高いと思います。このレースのL3ということは1900m過ぎなので、距離適性ではないはず、関東への輸送が上手く行かなかったのかもしれませんね。
カレンブーケドールはウインマリリンの後ろに居ました、L2で出し抜かれたのは休み明けの影響でしょうね。外からショート捲りになったワールドプレミアは、L2で11.3に対応するのが精一杯でした、内から5頭目を回していたので距離ロスもあったし、休み明けの影響もあったのでスムースでしたが、差を詰めることは出来ていませんでしたね。
直線L1標識付近です、出し抜いたウインマリリンが3馬身程リードを作り、内からカレンブーケドールが追いかけます。外からワールドプレミアが追いかけますが、この2頭はここから始まる坂で一気に差を詰めました、カレンブーケドールは外からワールドプレミアが来てから伸びているように見えるので、1頭だけだったら着差はもっとあったかもしれませんね。ワールドプレミアも坂で差を詰めているので、パワーと持続力を生かしたバテ差しタイプですね。
オセアグレイトもL2以降前との差を詰めていないので、トップスピードの質で見劣り、ヒュミドールは4コーナー内目を回していましたが、なぜか直線では外目に出している謎騎乗。前に居たのがカレンブーケドールなので、付いて行けばいいものをカレンブーケドールが邪魔になるとでも思ったのでしょうか。スローからの3F戦になったので中段以降の馬には出番なし、ジャコマルが5着、ヒュミドールが4着なので、持続力も問われていませんね。例年通りの消耗戦とは展開が真逆でした。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はウインマリリン、スローからのL2最速戦は昨年をエリザベス女王杯で良さを見せています。なので展開的には好走要件バッチリなのですが、2カ月の休み明けと例年の日経賞の展開はロンスパ、この2つを考えると買いにくかった。ところが今回はスローからのL2最速戦で瞬発力を発揮しました、更に田中勝春騎手が直線入り口で内を空けてくれたので、スムースに抜け出すことが出来ました。休み明けも2か月までなら大丈夫ということが分かりました、今後に生かしましょう。あとL2最速戦で出し抜きやすいコース、直線が400m以上あるとトップスピードの質を持続する能力で見劣る可能性があるので、阪神内回りは相性が良さそう。天皇賞(春)の優先出走権を獲得しましたが、距離については未知数、最終4コーナーは内回りなのでコース適性は良さそうですね。
2着はカレンブーケドール、またですか。分かっていましたけどね。休み明けはいつもピリッとしないので、L2でウインマリリンに出し抜かれたのは休み明けの影響でしょうね。先頭に立ちたくない病は治りそうもないし、今後も勝ち切るイメージは湧かないですね。
3着はワールドプレミア、正面スタンド前でオセアグレイトが上がったことで、馬群が切れて外に出せました。これが大きかったですね、スローペースになってしまい、得意のバテ差しにはなりませんでしたが、休み明けを考えても外から良く追い詰めたと思います。次は天皇賞(春)だと思うので、上積みは期待できますし、坂上ゴールでもあるのでバテ差しの展開になりそうなことも好材料ですね。
4着はヒュミドール、持続力はまぁまぁの評価なので、スローからの3F戦になったことが良かったですね。ただ直線入り口で外に持ち出したコース取りは謎でした、このコースロスがなければ3着のワールドプレミアとの着差はもう少し縮まっていたかも。だからと言って3着はなかったはずで、このクラスでの力の差を見せてしまいましたね。
5着はジャコマル、この馬が5着だったのでラップタイムが出る前に、3F戦だな~っと分かりました。ラップを見て案の定だったので、この馬の展開に持ち込めましたね。
オセアグレイトは6着、直線で伸びなかったのはトップスピードの質が足りない為でしょう、ラストドラフト、シークレットラン、アールスターは後ろからで届かず。ウインキートスは3コーナー入り口で、カレンブーケドールの斜行されてしまい万事休す、不運だったので度外視して良いでしょう。ダンビュライトは距離というよりも体調面ですね、輸送の可能性があるので今後も関東圏では注意が必要です。
馬券の方はウインマリリンが抜けてしまい外れ、ウインマリリンを無印にしてしまった以上に、カレンブーケドールが先頭に立ちたくない病を患っていることを見抜いたのに、カレンブーケドールの2着固定馬券を買えなかったこと、ここは猛省しないといけません、馬単でカレンブーケドールの2着固定で手広く流す馬券を買うべきでした。