2019年ダービー 全頭評価。その2。

2019年ダービー 全頭評価。その1。

<タガノディアマンテ>・心肺機能は高くない、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。 ・血統的に重馬場は合いそう。

”きさらぎ賞”ではスローバランスを後方から、L3から仕掛けて長くいい脚を使って2着。”スプリングS”では平均バランスを中段後ろ外から、直線はバテ差しで4着まで。”皐月賞”では平均バランスを後方から、4コーナーで大外を回してロスが多かったが6着まで。”京都新聞杯”ではややスローバランスを先行、4F戦で5着まで、休み明け4走目の疲労も考えられる。

「ダービーへ向けて」オルフェーブルの産駒で休み明け5走目は疲労が懸念材料、スローバランスでは良いんだけど、トップスピードの質も高くはないので京都新聞杯では苦戦した、もちろんこの時も休み明け4走目で疲労はあったはずだが、相手弱化で勝ち切らなければいけないレースだった。皐月賞では平均バランスを後方からになり自身はスローバランス、3,4コーナーで大外を回した割には、よく頑張ったなと思ったが、上位4頭には離されている。

皐月賞の上位3頭がそのまま出てくるし、きさらぎ賞で先着されたダノンチェイサー、京都新聞杯で先着されたレッドジェニアルも出てくるとなると、余程の条件変化が無いと好走は無理だと思う。それが重馬場、お父さんのオルフェーブルは不良馬場のダービーを勝ち、重馬場の凱旋門賞で2年連続2着、おじいちゃんのキングカメハメハも重馬場のすみれSを圧勝しているので、血統的に重馬場は期待が持てる。

<ダノンキングリー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。

”新馬戦”では4番手からスローのL2最速戦、パワーで坂を上ってL1もしっかり。トップスピードの質でカレンブーケドールにやや見劣る。”ひいらぎ賞”ではスタートでやや遅れリカバリーしつつ中段の外を追走、ハイペースバランスの中で外から捲って圧勝で、心肺機能の高さを見せた。”共同通信杯”ではスローバランスを中段やや前から、直線はトップスピードの質と持続力で圧勝、この時の2着がアドマイヤマーズ。”皐月賞”では平均バランスを中段の前から、直線入り口で待たされた分届かず3着。

「ダービーへ向けて」共同通信杯で見せたトップスピードの質と持続力はかなりのもので、新馬戦で追い詰められたカレンブーケドールが、オークスで僅差の2着もこの馬の評価を上げる。さらに評価を上げるのがひいらぎ賞で、ハイペースバランスを力でねじ伏せ、高い心肺機能を見せつけた。問題は皐月賞で直線入り口で明らかに待たされている、それでも僅差の3着だったのは高評価。

共同通信杯のトップスピードと持続力の高さを見せられると、ダービーこそ絶好の舞台。掛かるタイプでもないので展開にも注文は付かない、瞬発力は高い方ではないので直線で詰まると良くないので、できれば内枠よりは真ん中あたりが良いと思う。ダービーは運のいい馬が勝つレース、枠順で最初の運試しに勝てば、優勝へ近づくと思う。戸崎騎手が共同通信杯の乗り方で良いと腹を括れるか、サートゥルナーリアを意識し過ぎてしまうと追い出しが遅れる懸念はある。

<ダノンチェイサー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピード質はまぁまぁで持続力は高い。

”きんもくせい特別”ではほぼ平均バランスを掛かりながら先行、直線入り口で先頭に立つもL1で差されて2着、スタートで寄れて隣の馬にぶつかりテンションが上がったように掛かってしまった、前半47.3とこの時期の2歳戦にしては速く、全体でも1分46秒台の決着は高速馬場を考えても速過ぎた感がある。ここを掛かりながら先行して僅差2着は高評価。”こうやまき賞”ではスローバランスを中段から、直線外からスムースに加速して僅差だが1着、ここでも前半掛かっていて折り合いには苦労していた。”きさらぎ賞”ではスローバランスをやや離れた2番手から、直線L2から追い出して圧勝、目視L3から12.0-11.3-11.5くらいで、京都外回りにしては瞬発力が問われた中でしっかり加速、当日はかなり重い馬場で前日のエルフィンSも1分35秒台と時計の掛かる馬場、その中で瞬発力見せてきたのは高評価。”NHKマイルC”ではハイペースバランスを中段やや前から、直線はグランアレグリアに寄られてバランスを崩し失速、5着入線後に4着に繰り上がり、3,4コーナーでグランと位置を入れ替えるなど操縦性の高さを見せた。

「ダービーへ向けて」まずは前走から振り返りましょう、NHKマイルCは直線で大きな不利を受けた、あれでも立て直して5着入線は立派だった、それよりも3,4コーナーでグランアレグリアと位置を入れ替えた操縦性こそ注目で、2歳時の気性の難しさは影を潜めた感じ。2400への距離延長を考えると気性を改善できたのは大きく、操縦性の良さを生かしていいポジションを取れそう。

もちろん不安材料は乗り替りでアブドゥラ騎手と手が合うのかどうか、NHKマイルCでカテドラルを3着に持ってきたコース取は良かったし、複勝率も3割を超えているので大きなマイナスにはならないと思う。

<ナイママ>・パワー型で心肺機能と瞬発力は低い。

・トップスピードの質が低く芝では苦しい。

”コスモス賞”では稍重でトップスピードの質が問われずパワーで押し切り。”東スポ杯2歳S”ではスローペースを先行してトップスピードの質で見劣り大敗。

「ダービーへ向けて」ここでは無理。無事に回ってきてください。

<ニシノデイジー >・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁで、持続力は高い。・掛かる。

”札幌2歳S”ではハイペースバランスを中段から、直線バテ差しで1着、この時の3着がクラージュゲリエ。”東スポ杯”ではスローバランスを中段から、直線では馬群を割って1着。”ホープフルS”ではスローバランスを中段から、直線前が空かずにサートゥルナーリアに瞬発力で見劣り3着。”弥生賞”では平均バランスを中段からかなり掛かりながら、直線はジリジリしか伸びず、この時が休み明け。”皐月賞”では平均バランスを中段から、掛かっているのに外に出す謎騎乗で凡走。

「ダービーへ向けて」札幌2歳Sが強かった、ハイペースバランスを後方から勝ち切っている、これで心肺機能の高さ、持続力の高さを見せている。東スポ杯では内枠から直線で詰まりながらも差し切って1着。ホープフルS、弥生賞の2レースは内枠から掛かりながら、直線勝負に行くも詰まってしまう。それでもホープフルSではL1で瞬発力見せて3着までは来ている、もちろんサートゥルナーリアには見劣ったが、レース内容は良かったと思う。

で問題の皐月賞、詰まった反省からなのか掛かっているのに馬群の外に出してしまい凡走。乗り替りもないのでまずは内枠が欲しい、その上で掛かるのは仕方ないがとにかく馬群に入れたい。詰まることは覚悟のレースになるが、馬群の外からでは掛かって勝負にならないのは皐月賞で露呈してしまった。騎手不安はあるが、馬のポテンシャルは結構高いことは東スポ杯で見せているので、条件が揃えば馬券に入ってきそうな1頭。

<メイショウテンゲン>・心肺機能はやや低い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。・ディープ産駒らしくなくバテ差し型。

・阪神など下り坂を利用できれば。

”未勝利戦”ではハイペースバランスを中段の後ろから、長くいい脚を使ってバテ差し、トップスピードの質は低いが下り坂を利用できたことで伸びた。”きさらぎ賞”ではスローバランスを中段から、L2最速戦で凡走、瞬発力とトップスピードの質で見劣り。”弥生賞”では平均バランスを中段の後ろから、重馬場で消耗戦になり長くいい脚を使ってバテ差し1着。

「ダービーへ向けて」皐月賞では後方からまったく良いところがなった、実は皐月賞は平均バランスだがL1で最速タイムが出ているように、上位の馬にはペースが緩かった可能性があり、中段より前の馬が止まらないレースだった。これを後方からL3で置かれてしまっている、ペースが上がった地点で置かれているので、トップスピードの質と瞬発力は低いと言わざるおえない。

未勝利戦では下り坂を利用して、L3の11.5を克服しているように瞬発力も低い、弥生賞では重馬場の消耗戦になりトップスピードの質を問われなかった。タガノディアマンテもだけど、やはり重馬場になって欲しいと思う。