2020年高松宮記念 全頭評価。その2。

<グルーヴィット>・トップスピードの質は高くはない、持続力はある。

・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではハイペースバランスを中段の後ろからバテ差しで1着、芝スタートで行き脚が付かなかった。トップスピードの質が低くバテ差しタイプ、持続力はある。”500万条件”ダートではハイペースバランスを中段やや前からバテ差し1着、中緩みのできる展開でL3の13.0からL2で12.1へ引き上げる、13秒台のラップを2F踏んで息が入ったことで、瞬発力を見せたが流れた中ではどうか。”ファルコンS”ではハイペースバランスを中段から、外々を回してスムースだったが、4コーナーから手が動きズブさを見せた、直線はバテ差しで差のない2着までは来たが、後ろから差してきたハッピーアワーにはトップスピードの質で見劣り。”NHKマイルC”ではハイペースバランスを中段から、直線は詰ってしまい追えずに凡走。”2019年中京記念”では稍重で平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2019年京成杯AH”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段やや前から、3,4コーナー中目を回してL3で一杯になり凡走。”2019年武蔵野S”ではハイペースバランスを3,4番手先行、3,4コーナー最内を回して直線一瞬前が壁になったが反応悪く凡走。”2020年ニューイヤーS”では稍重でややハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー外目を回して直線はスムースだったが伸びずに凡走。

「高松宮記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

NHKマイルCは直線グランアレグリアの後ろに居て終始前が壁になったし、再三レーン騎手の手が止まっていた、なので凡走の要因を距離に求めるのは早計だと思う。母系を辿るとエアグルーヴが居るので距離はもう少し長くても問題ないともうし、再三見せている心肺機能の高さはフレンチデピュティから来ているのでしょう。良馬場で前半33秒台で流れるようなら、心肺機能と持続力を生かせるはずで、それはファルコンSで見せてきたしダート戦だったが新馬、500万条件でも見せた。

スローバランスでトップスピードの質をモロに問われれば、スピード負けする危険はある。ファルコンSが上がり2番時計だが34.4で、勝ったハッピーアワーは後ろから34.0で差し切っているので、トップスピードの質が高い訳ではないが低くもない、なので結構展開に左右されそうですね。2019年中京記念では稍重で平均バランスを中段から、4コーナーから鞭を入れていたので相当ズブイんだと思う、これでL1が12.3まで落ちる消耗戦になっているので、持続力は相当なもの。2019年京成杯AHでは超高速馬場で離れた追走集団の中段やや前から、4コーナーL3辺りでいつも通り手応えが悪くなり、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。

このトップスピードの質が低いことを受けてダートに矛先を向けたのが2019年武蔵野S、ハイペースバランスを3,4番手先行、直線入り口で一瞬前が詰まったがいつも通り手応えが悪く、これで一杯になたっとスミヨン騎手が勘違いした感じでL2で追うのをやめている、ところがL1標識手前でジリジリ伸び始めて再度追い出したが、当然瞬発力には見劣るので流れ込むだけだった。2020年ニューイヤーSは稍重だったが直線伸びなかった。

現状では左回りの方が良さそうで、NHKマイルCでは直線で前が壁になったし、武蔵野Sでは直線入り口で前が壁になった後、反応の悪さにスミヨン騎手が諦めてしまった、その後ジリジリ伸びているので、左回りの方が圧倒的に内容が良い。

好材料はコース適性でファルコンSでバテ差し2着、中京記念でも軽ハンデだったが勝ち切っている。現状では左回りの方が圧倒的に内容が良い。悪材料はクラス負けの危険で古馬重賞ではGⅡ未経験、GⅢの中京記念では52㎏での1着なので初GⅠでは未知数。岩田騎手への乗り替りは不安の方が大きいかな~、一応新馬戦で勝った時に乗っているので、テン乗りではないがとにかくズブイので、それをきちんと引継ぎが出来ているかどうか、スミヨン騎手の場合はどうも引継ぎが上手く行っていなかった感じだし、この辺りは不安材料になる。道悪の方が期待出来そうですね。

<シヴァージ>・心肺機能は高い、パワーはある、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質はいやや低く、持続力もまあまあ。

”テレビ静岡賞”ではややハイペースバランスを3,4番手先行、3,4コーナー外目から進め直線先頭に立ったがゴール前で差されて2着、持続力がやや足りない感じ。”2018年貴船S”ではハイペースバランスを2番手先行、直線先頭に立ったが差されて2着。”2018年御影S”ではハイペースバランスを2番手先行、直線は先頭に立ったがゴール前で差されて3着。”2019年播磨S”ではハイペースバランスを中段から、直線は外からスムースにバテ差し2着。”2019年鳴門S”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー外を回して直線外からスムースだったが差し切れずに2着。”2019年立夏S”ではハイペースバランスを2番手先行、直線スムーズに抜け出し先頭に立ったがゴール前で差され3着。”2019年秋嶺S”では平均バランスを先頭から2、3番手に下げて折り合い、直線入り口で前が壁になってしまい追い出しを待たされ、トップスピードの質と持続力でやや見劣り4着。”2019年神無月S”では重馬場でハイペースバランスを離れた追走集団の前から 、直線はスムーズに伸びて1着。”2019年阪神C”では平均バランスを中段から、終始外目を回して直線スムースだったが馬場が悪く7着まで、芝でも力を発揮できている。”2020年淀短距離S”では平均バランスを中段から、3,4コーナー最内を回して直線前が壁になり4着まで。”2020年北九州短距離S”では重馬場でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線外から差し切り。

「高松宮記念へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:クラス負けの危険。

1600万条件を勝ち上がるのに8戦も要してしまったが、 そのうち7戦で3着以内と抜群の安定感を誇る。1400mを中心に使われてきたが良馬場では1F長い感じでゴール前で差されてしまうことが多い、 L2で抜け出してもL1で12秒台の後半までラップを落としてしまうので後ろから差されてしまいどうしても一着が取れなかった。持続力はまあまあという評価しかできない。 播磨Sで中段から差す競馬をして2着になっているが、この時は稍重で前半無理をしなかったことで足が溜まった感じはあった、ただこのレースは1着ファッショニスタに3馬身も離されているのでトップスピードの質を高くは評価できない。

1400ではハイペースバランスで好走しているので心肺機能は高いと思う、東京競馬場でもL1で落としているのでパワー不足で阪神の急坂を落としているのではなく、単に持続力が足りなくなって落としているだけなのでパワーは十分持っている。瞬発力の低さを見せてしまったのが秋嶺Sで直線入り口で前が壁になってしまい抜け出すのに手間取っていた、この時は稍重だったがマイル戦だったので距離も1F長かったかもしれない。

良馬場では1200mが合っていそうだがスタート自体がそれほど速いわけでもなく、先行できなければトップスピードの質に不安があるので、現状では1400mが良いが持続力を誤魔化すためにも道悪の方が良いと思う。この馬は非ノーザンF生産馬だが外厩はノーザンファームしがらきを使う隠れノーザン、なので休み明けは苦にしない。2019年播磨Sが休み明けで2着に好走、2019年秋嶺Sでは4着に敗れているが、この時は直線入り口で前が壁になってしまったので度外視して良いと思う。

芝に矛先を替えたのが2019年阪神Cで、平均バランスを中段の外から、直線は馬場の悪い外を走ったことで伸びなかったが、芝での適正を見せている。2020年淀短距離Sではスタートがイマイチで中段から、3コーナー入り口で外から前を塞がれてブレーキ、直線は前が壁になってから外に出してバテ差したが、平均バランスで前が止まらず4着まで。2020年北九州短距離Sでは重馬場でハイペースバランスを後方から、終始スムースな競馬で差し切り、重馬場でハイペースバランスになり消耗戦、当然トップスピードの質は問われていない。芝に替わって中段や後方からだと持続力を発揮しているので、前半ゆったり入れば心肺機能に余裕が出るんだと思う。もちろんこのレースはレベルが低く高評価は出来ない、2勝クラスを勝ち上がったばかりのメイショウキョウジが2着、重賞では全く良いところがないイエローマリンバが3着なので、鮮やかな差し切りだったがレースレベルは低いと思う。

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で、阪神Cから芝に矛先を変えて前走の北九州短距離Sで1着と結果は出した。阪神Cは馬場の悪い外目を伸びて7着は悪くなかったが、それでも1着グランアレグリアから1.3秒も離されては勝負になっていない。淀短距離Sでは最後いい脚で差し込んできたし、3コーナー入り口で不利もあったので一定の評価は要る、北九州短距離Sでも1着は評価しないといけないが、相手関係を考えればGⅠで好走を期待するのは無理がある。スタートも良くないし、重馬場になっても後方からでは届かない可能性が高いので、ここでは厳しいかな~。

<ステルヴィオ>・心肺機能はやや低く、パワーは有る、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質は高い、持続力もある。

・休み明けでも走る。

”2017年朝日杯FS”ではややスローバランスを後方から直線で追い込み2着。”2018年スプリングS”では離れた追走集団の中段やや後ろから、L3からのロンスパに乗りトップスピード持続で競り勝ち1着。”2018年ダービー”では距離が持たずに凡走、休み明け3走目も良くなかった可能性あり。”2018年毎日王冠”ではスローバランスからの5Fロンスパ戦を中段からトップスピード持続で2着まで、この時が休み明け。”2018年マイルCS”ではややスローバランスからL2最速戦を瞬発力を生かして内から差し切り。”2019年中山記念”ではバラケた中段から実質平均バランス、3,4コーナーで外を回して直線は3着まで、ウィンブライトには喰らい付くまでで、ラッキーライラックを差せず。”2019年大阪杯”ではスローバランスを中段やや前から、キセキの直後で直線を迎えたがL1で一杯になり殿負け。”2019年安田記念”ではスローバランスを出遅れ後方から、直線はアーモンドアイの後ろからだが、瞬発力で見劣り8着まで。”2020年阪急杯”ではややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー最内を回して直線内から外に出すのに手間取り5着まで。

「高松宮記念へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:初距離、騎手不安。

まず2019年の大阪杯はL1で明確に落としてしまったので、距離の可能性が高いと思う、皐月賞では4着だったが最後方からだったし、心肺機能的に楽だったのかもしれない、ダービーでも直線伸びてはきたけど8着だから、質の高い走りをするにはマイルから1800までだと思う。

2019年中山記念では自身スローバランスを長くいい脚を使ってきた、ウィンブライトに対してやや外を回して脚色は見劣らなかったのは立派だと思う。この時は丸山騎手でコース取が甘い、3,4コーナーでウィンブライトを内に閉じ込めるようなコース取なら勝っていたかもしれない。2018年マイルCSでは中段の最内からコースロスなく進めて、L2最速戦に反応して1着だった、外目は伸びない馬場だったので馬場の恩恵はあったが、前に居たアルアインを差し切っているし、後ろに居たペルシアンナイトはしっかり押さえ切った。

ダノンプレイミアムが勝ったサウジアラビアRCはハイペースバランスだが中段の後ろからで自身はスローバランス、これを直線バテ差しでダノンに0.3差まで迫った、この感じからもあまりハイペースバランスは良くないと思う、平均バランスくらいで後方からゆったり入った方が良いのは2018年毎日王冠でも見せたし、マイルCSもややスローバランスでコースロスなく進めたので、ハイペースバランスに巻き込まれない方が良い。

2019年安田記念ではスタートで遅れ後方からになってしまい8着までだった、直線入り口ではすぐ前に居たアーモンドアイにL2で一気に引き離されているが、上り3Fは32.6で0.2秒しか違わないので、トップスピードの質と持続力の高さは見せた。2020年阪急杯では中段の最内から進めたが、直線で1着ベストアクターに外から張り付かれて追い出しが遅れて5着、コースが空いてからの差し込みは良かったので、ベストアクターとの位置が逆なら勝っていたのはこちらだったと思う。この辺りが騎手の能力の限界で、1流騎手は直線入り口で自分のコースを確保するから、騎手次第の面が出てしまった。

この馬はノーザンF生産馬なので休み明けは苦にしない、2018年毎日王冠で2着、2019年中山記念で3着だった。ロードカナロア産駒なので激走後の反動は注意。

好材料はなし、悪材料は初距離の不安で、前走1400mで直線抜け出すのに手間取ってからの0.2差5着は悪くないが、1200mは全くの未知数。お母さんのラルケットだけでなく兄弟も1200mでは好走歴がないし、距離適性には大いに不安。騎手も丸山騎手で前走のスムースさを欠いた直線を見ても期待はできない。昨年の安田記念からどうもスタートが遅くなってしまって、今回改善できているかは未知数で不安材料、当然このクラスで出遅れれば致命傷になる。

<セイウンコウセイ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

・2か月半以上の休み明けではトップスピードの質が落ちる。

”2017年淀短距離S”ではほぼ平均バランスを逃げて1着、L2最速11.1で出し抜き圧勝した。”2017年シルクロードS”では平均バランスを3番手先行、L2で11.1で先頭に立ったがダンスディレクターに差されて2着、トップスピードの質で見劣り。”2017年高松宮記念”ではハイペースバランスを先行の後ろから、直線はL1の持続力で圧勝、この時の2着が内枠のレッツゴードンキ、3着がレッドファルクスで高評価。”2017年函館SS”ではハイペースバランスを2番手先行、L1で垂れて4着、前半が32.2とかなり速かったし2か月半強の休み明け。”2017年スプリンターズS”ではほぼ平均バランスを中段のやや前から、直線は全く伸びずに凡走、この時が3カ月半の休み明け。”2017年スワンS”では重馬場でハイペースバランスを中段やや前から、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。”2018年シルクロードS”ではほぼ平均バランスを逃げて2着、58㎏で休み明けのファインニードルの2着ならまぁまぁ。”2018年高松宮記念”ではハイペースバランスを、ダイアナヘイローに競られながら逃げて0.3差6着なのでまぁまぁ。”2018年京王杯SC”では平均バランスを3番手先行、L2過ぎから垂れて凡走、距離が長かった。”2018年函館SS”ではハイペースバランスを逃げて1着、ペース、走破タイムも良かった。”2018年スプリンターズS”ではハイペースバランスを中段の前から、直線伸びずに凡走、この時が3カ月強の休み明け。”2019年シルクロードS”ではハイペースバランスを逃げて凡走、この時が2か月半強の休み明け。”2019年高松宮記念”ではハイペースバランスを先行、直線粘って2着。”2019年CBC賞”では不良馬場で平均バランスを逃げて3着、道悪でトップスピードの質を問われない展開が嵌った。”2019年キーンランドC”ではハイペースバランスを3番手先行、4コーナー外を回して6着まで、逃げたナックビーナスとは0.1差なので前半が速過ぎ。”2019年スプリンターズS”ではハイペースバランスを4,5番手追走、直線入り口で詰まって再加速に手間取り凡走。”2019年スワンS”では稍重で平均バランスを2番手先行、トップスピードの質で見劣り凡走。”2020年シルクロードS”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線粘れず5着、この時が休み明けで58㎏。

「高松宮記念へ向けて」好材料:コース適性、休み明け2走目。 悪材料:騎手不安。

丸2年以上前の高松宮記念を勝った馬で、その後は安定しない成績だったが、2019年の高松宮記念で2着に激走した。12番人気だったことからも皆さん評価に迷ったんだと思う、私も買えなかった・・・。この馬のはっきりした傾向としては間隔で、2か月半以下の場合7-6-0-9(JBCスプリント含む)、2か月半以上の場合0-1-2-7とかなりはっきりした数字。2019年CBC賞では3カ月の休み明けで逃げて3着に粘った、不良馬場でトップスピードの質を問われなかったことから、2か月半以上間隔を空けるとトップスピードの質が低下するんだと思う、3歳時の東京未勝利戦で3カ月弱の間隔空けの中2着した時もダートで、トップスピードの質が問われていない。持続力と心肺機能には影響がないんだと思う。心肺機能と持続力は2017年高松宮記念、2018年函館SSでハイペースバランスを逃げ切っているので、かなり高い物を持っている。距離に関しては1200がベストだと思う、1400ではスワンSでも京王杯SCでも凡走している、どちらも休み明けではなかったので単純に距離が長かったはず。

好ローテーションで挑んだ2019年スプリンターズSがなんとも勿体ない内容で、終始4,5番手の最内で進めたが、直線入り口で下がってきたファンタジストの影響で大きくブレーキ、再加速をするだけの瞬発力はないので凡走してしまった。それでも前が空いてからジリジリは伸びたので、スムースだったら着は良かったはず。2019年スワンSでは稍重にビビって平均バランスで、トップスピードの質で見劣り。2020年シルクロードSでは休み明けで58㎏、これで0.2差5着は決して悪くなく7歳になったが衰えは見えなかった。

好材料はコース適性で、中京1200mは1-1-1-1と、条件戦ではなく高松宮記念1,6、2着とCBC賞3着なので高評価どころか、ここは庭と言っても良い程の相性。6着だった2018年高松宮記念では前日の稍重の影響が残る馬場で、オーバーペースだったので度外視していいと思う。休み明け2走目も好材料で2か月半よりも短い間隔が好走条件、前走シルクロードSは休み明け58㎏、プラス12㎏といかにも前哨戦の仕上げ、もっともこの厩舎なのでそこまで考えているかは疑問だが。悪材料は騎手不安で2019年スプリンターズSでも直線詰まって凡走している、3年前に勝っている騎手だが、勝ちに行って勝ったのではなく勝てちゃった騎手なので、不安は大きい。