2020年京都記念 全頭評価。その4。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ラヴズオンリーユー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

・スタートが悪く、掛かることがある。

”白菊賞”では平均バランスを中段の後ろから、4コーナー出口で外に出して直線はバテ差し、コーナーで加速しながらスムースに外に出せる操縦性の高さ、コーナーで11秒前半の脚を使える器用さ、L1も11.7で纏める持続力を見せた。”忘れな草賞”ではスローバランスを掛かりながら中段の後ろから、向正面で緩んだところを中段の前まで上がって、4コーナーから流れる展開を外からじわっと進出してL2で前を捉えて押し切り、L3から目視で11.4-11.2-12.0とここでも持続力を発揮、瞬発力についてはL3、L2が下りの為評価できず。”オークス”では平均バランスを中段から、4F戦になりバテ差し1着、心肺機能と持続力を見せた。”2019年エリザベス女王杯”ではスローバランスを2番手先行から、3,4コーナーで先頭にクロコスミアを楽に逃がし過ぎて3着まで、この時が休み明けで中間に骨折も。”2020年ヴィクトリアMではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年鳴尾記念”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着。”2020年府中牝馬S”では重馬場でハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エリザベス女王杯”では平均バランスを離れた追走集団の中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着。”2020年有馬記念”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「京都記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:特に無し。

ハッキリしているのは持続力が高いこと、トップスピードの質はまぁまぁ、コーナーでも加速できる器用さです。白菊賞が結構いい内容で平均バランスから上り33.9とまぁまぁのトップスピードを見せている、前日の12Rが古馬1000万条件で1:33.5の時計で、この時の1着がエントシャイデンなので時計は評価していいと思う、もちろん最内をロスなく回って4コーナー出口でスムースに直線に入れた点は恵まれている、平均バランスで流れたため掛かることもなかったなど全てが上手く運んだ感じだった。忘れな草賞が勝ったとはいえやや物足りない内容で、桜花賞当日の馬場はかなり軽かったにもかかわらず、スローバランスで2:00.6と平凡だった、後半1000mも59.6、上がり3Fも34.6も掛かっていてやや遅い印象。休み明けだったこともあるが前半のスローペースでかなり掛かっていたことは確かで、それを差し引いても後半のタイムは物足りない。

オークスは平均バランスを中段からしっかり伸びて勝ち切った、勝負根性はかなり物を見せたし持続力の高さはかなり高い。このレースはL3最速のバテ差しのレースになっていて、前はかなり苦しいレースになっているので中段で足を溜められたのは大きい。そういう意味では前で粘ったカレンブーケドールはかなり強いと思う。この馬はL3からゴーサインを出している割に加速は鈍かったので、瞬発力は低いと思うのでコースや展開には注文が付くかもしれない。2019年エリザベス女王杯は意表を突く2番手先行だったが、3,4コーナーで先頭のクロコスミアを楽に行かせすぎて届かず3着と、ミルコのリズムの悪さを見せた感じだった。前半1000m62.8では前が止まらない、元々トップスピードの質に関してはまぁまぁなので後ろからも差されてしまった。2020年ヴィクトリアMでは中段の後ろから、直線伸びなかったのでマイルは合っていない、血統的にもお兄ちゃんがリアルスティールとプロディガルサンがマイルで良くなかった。2020年鳴尾記念では持続力を生かして直線伸びたが、外目を通したことで内から差されて2着だった。2020年府中牝馬Sでは重馬場で全く伸びなかった、高速馬場こそが得意で良馬場でも重い馬場だった鳴尾記念でも甘くなっていたし、重馬場で道悪適性の悪さを見せた。2020年エリザベス女王杯では中段やや後ろから、3,4コーナーで待ってしまいL2最速戦に対応できずに3着、スムースに加速してきたサラキアに差されたのはトップスピードの質も影響したはず。2020年有馬記念では中段から、4コーナーですぐ後ろに居たサラキアに見劣り凡走した。休み明け3走目で疲労の影響もあったかもしれない。

好材料はコース適性で、昨年のエリザベス女王杯で同コース3着、阪神内回りはこれを含めて3走して全て3着以内と好相性。今回は川田騎手に乗り替わり、ミルコで勝ち切れなかったので新味を見せられるか。悪材料は特になく、鳴尾記念2着があるのでクラス負けの危険はないと思う。

適性:松

<レイエンダ>・心肺機能は低い、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く、持続力は高い。・ハイペースバランスではトップスピードが削がれてしまう。

”夏木立賞”では離れた追走集団の後方からで平均バランスくらい、L2から一気に伸びて先頭を捉えL1も落とさず1着、馬場を考えればタイムは物足りないがこの時は骨折明け。”松前特別”ではやや離れた3,4番手追走でややスローバランス、L3から徐々に掴まえに行って圧勝、L1最速戦という珍しい展開なのでレースレベルは低い。”セントライト記念”では離れた追走集団の後方から、4コーナーも中目を回して伸びたが2着まで、トップスピードの低さを見せてしまった。”2018年チャレンジC”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、コーナーは中目を回してロスが無かったが、直線伸びずに凡走、すぐ前に居たステイフーリッシュにも離されてしまったので、トップスピードの質は低い。”2019年東京新聞杯”ではややハイペースバランスを最後方から、直線は馬群に取り付くまでで凡走、上がり32.8で1番時計だが最後方から全くレースに参加していないので評価はできない。”2019年メイS”ではスローバランスを中段の後方から、直線はスムースだったが伸びずに凡走、同じ位置で直線に入ったショウナンバッハに直線だけで3馬身も離されてしまったのは印象悪い。。”2019年エプソムC”ではスローバランスを2番手先行、直線はトップスピードの質と持続力を生かして差し切り。”2019年新潟記念”では平均バランスを中段から、直線中目を通してスムースだったが全く伸びずに凡走。”2019年富士S”ではスローバランスを後方から、直線はすぐ前に居たノームコアを追走してスムースに伸びて2着、前半がスローだったので末脚が生きた感じ。”2019年マイルCS”ではスローバランスを後方から、終始外を回されて直線も伸びずに大敗。”2020年東京新聞杯”では平均バランスをやや離れた追走集団の前から、終始内目を回して直線スムースだったがL1で一杯になり凡走。”2020年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線内からスムースに伸びて3着。”2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年函館記念”ではハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線入り口で一杯になり凡走。”2020年富士S”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年ポルックスS”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「京都記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険、蓄積疲労。

言わずと知れたレイデオロの全弟で、デビュー前から期待されていたが新馬戦後の軽度の骨折で1年弱の休養、復帰してからは2連勝でセントライト記念で2着まではマズマズだったが、その後古馬混合の重賞でボロが出ている。まずチャレンジC、初めての関西輸送もあったので当時は大目に見てあげようかと思っていた、ただそれでもステイフーリッシュに直線で離されたのは印象悪い、ステイフーリッシュもトップスピードの高い馬ではないからね~。このトップスピードの低さはセントライト記念でも見せていたので、ここで改めて確認された格好になってしまった。セントライト記念や条件戦にはなるが松前特別で持続力の高さは見せたが、最近はスタート後の行き脚が悪く後方からになり凡走を続けている。

年明けの東京新聞杯で異変があった、ここまで継続騎乗だったルメール騎手が、非ノーザンのゴドルフィン・タワーオブロンドンを選択してきた、ノーザンFxキャロットクラブxルメール騎手の関係を考えれば、この乗り替りは3者が納得したもののはず、ということはルメール騎手はレイエンダに見切りをつけたのか?とも思ったが2019年エプソムCで再度ルメール騎手が乗って1着。展開もかみ合ったがルメール騎手に戻ったとたんこれではね~。

そのエプソムCでは稍重でドスローを先行させて、上がり3F32.7で勝ち切った。前半が遅かったことで東京特有の雨でも速い馬場を味方にした感じ。ただ東京新聞杯でも最後方から上がりだけは1番時計を出していたし、能力の片鱗は見せていたと考えても良いと思う。当時は最後方から全く別のレースをしただけで、評価は出来なかったがトップスピードの質は高いと思って良いと思う。キンカメ産駒なので突如覚醒する馬もいる、ラブリーデイなんかがこれに当たるんだけど、ここで覚醒したと見るかどうかはまだ未知数かな。

2019年新潟記念でこの馬の特徴が固まったと思う、心肺機能の問題で凡走していたことがはっきりした。この時は平均バランスを中段から直線全く伸びなかった、エプソムCのようにドスローならトップスピードを引き出せるが、平均バラン以上で流れてしまうと心肺機能が一杯になってしまうんだと思う。良馬場では前半が速くなって息切れしてしまうか、後方からになり息は持っても届かない。稍重になるとドスローを先行したり、スローバランスを中段の後ろからでも、バテ差しが効いて好走すると。こういうタイプなのかもしれませんね。それに追加して2019年のマイルCSでもう一つの特徴が見えた、この時は前半47.2で好走条件だったが、終始外を回されたこともあり大敗、どうも1回おきに走るタイプで好走後に反動があるんだと思う。

2020年東京新聞杯では先行したが凡走、この時が休み明けでこの馬は休み明けが良くない。2020年ダービー卿CTではハイペースバランスを中段からで、3,4コーナー最内を回して直線スムース、これで8歳のクルーガーにボロ負けしたし、4コーナーですぐ前に居たボンセルヴィーソをハナ差だが捉えきれなかった。この時は前半45.4でこの馬の適性に合わないかと思ったが、マイルなので最後まで持った感じ。2020年エプソムCでは不良馬場のハイペースバランスを後方から、トップスピードの質が問われてしまい凡走。2020年函館記念ではハイペースバランスを先行、直線入り口で一杯になり凡走した、このレースではトップスピードの質は問われていないが、前半からかなり速い流れだったので心肺機能が持たなかった感じ。もちろん距離も2000mは長かった可能性がある。2020年富士Sではスムースだったが伸びずに凡走、血統的にも蓄積疲労の可能性がある。

2021年ポルックスSでダートへ矛先を変えたが、全く伸びずに凡走した、芝でもダートでも差しに回ると、トップスピードの質が低くなり差せないんだと思う。

好材料は距離適性で2200mはセントライト記念で2着、近走マイル前後で苦戦しているので新味が出るかも。悪材料はクラス負けの危険で、5歳以降はGⅢでも3着が最高なので、このクラスでは苦しいかも。キンカメ産駒で6歳になるので、蓄積疲労によるトップスピードの質低下が大きな不安材料ですね。2020年ダービー卿CTでも自身の上り3Fは35.2、逃げとまではいわないが、先行して粘り込みを狙わないと苦しいと思う。

適性:梅

<ワグネリアン>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。・休み明けでも走る。

”弥生賞”ではスローバランスを中段から、L2でダノンプレミアムのスパートに反応できず2着。”ダービー”ではスローバランスを先行して、長くいい脚を使って1着、金子オーナーに助言されたか?。”神戸新聞杯”ではスローバランスを中段から、3F戦を持続力で1着、この時休み明け。”2019年大阪杯”ではスローバランスを中段の最内から、3,4コーナーロスなく回って直線も内が空いて流れ込み3着、持続力を見せた。”2019年札幌記念”では平均バランスを離れた追走集団の前から、直線スムースだったが伸びず4着、両前脚を落鉄していた影響。”2019年天皇賞(秋)”ではスローバランスを中段やや後ろから、直線外からスムースだったが届かず5着、後ろからユーキャンスマイルに差されているのでトップスピードの質で見劣ったが、7枠からで終始外を回された分はロスが大きかった。”2019年ジャパンC”ではややハイペースバランスを中段やや前から、直線入り口でウィンテンダネスが下がった煽りを受けて、外に出してから追い出して3着まで。”2020年大阪杯”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びず。”2020年宝塚記念”では稍重でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線伸びずに凡走。

「京都記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:休み明け。

東スポ杯2歳Sでハイペースバランスを離れた追走集団のやや後ろから、先頭から2秒ほど離れた位置だったので自身は平均バランスくらい、これを後半の800m46.1で纏めていて全体では1800mを1:46.6と2歳の重賞としては内容のあるレースだった。当日は超高速馬場というわけではなく、同日の10RユートピアS古馬1600条件で、レッドアヴァンセがマイルで1:34.7だったので、この辺りとの比較でも好評価で、心肺機能、持続力の高さを見せたレースだった。瞬発力の低さは弥生賞でダノンプレミアムの加速に反応できなかったし、ダービーは勝ったが先行したので、持続力の高さは見せたが、トップスピードの質は高くはないと思う。神戸新聞杯でもエタリオウのトップスピードには見劣ったからね。瞬発力以外は高いレベルで揃っているし、ダービーからは前目のポジションを取れるようになった為、成績が安定してきた。使い詰めは良くないタイプのようで休み休みのレースだが、ノーザンF生産馬なので外厩をフル活用して仕上げられることで休み明けの不安はない。

2019年休み明けの大阪杯で3着に好走、この時は終始最内を回すロスない競馬で、直線も明らかに内優位だった、それでも持続力とパワーは見せたし、休み明けでも走ることは実証した。2019年札幌記念は両前脚の落鉄の影響で4着、僅差だったし落鉄のアクシデントを考えれば好走と言ってと思う。ダービーからスタートが安定してきたことで、前目のポジションを取れるようになった、これで成績が安定しているし、トップスピードの質よりも持続力を生かせる展開になったことも大きいと思う。2019年天皇賞(秋)では外枠に入ってしまい終始中段やや後ろの外からになり、直線もトップスピードの質で見劣り5着までだった、ロスが大きかったがトップスピードの質では勝負できないことがはっきりした。2019年ジャパンCでは重馬場を中段やや前から、スタート直後にウィンテンダネスを前に入れてしまい、直線入り口でウィンテンダネスが下がってきたあおりを受けて、外に出す大きなロスから追い出しが遅れて3着までだった、重馬場でも走れる適性を見せたが、トップスピードの質では勝負できないことを改めて見せた。

2020年大阪杯では中段の最内から進めるも、直線で伸びずに凡走。結果論だが前で決まっているレースなので、序盤で1着ラッキーライラックに、ポジションを譲るように下げたことが大きな敗因だと思う。2020年宝塚記念では2番手先行、ハイペースバランスになり直線で失速した。この時は自身もハイペースバランス、2019年ジャパンCでは自身平均くらいだったので、宝塚記念では心肺機能が要因で直線失速した可能性が高いと思う。トップスピードの質では勝負しない方が良いので、道悪で中段辺りから進めた時の激走待ち。

好材料はコース適性で、2019年大阪杯で阪神内回り3着があるので好材料。悪材料は休み明けで、2019年大阪杯こそ3着に入ったが、2019年札幌記念4着、2020年大阪杯5着とピリッとしない。今回は豊騎手へ乗り替わり、近年の豊騎手の重賞成績では騎手弱化と言わないといけませんね。

適性:竹