走破時計3:05.5 上り3F35.6 62.2-62.6-60.7スローバランス
良馬場 含水率 ゴール前 10.0% 4コーナー 11.0%(5:30)
クッション値 9.4 標準(7:00)
まずは馬場状態ですが良馬場まで回復していました。9R鳴滝特別が2:14.4とやや時計は掛かっていました、1着のヒートオンビートは小牧特別でアリストテレスに0.2秒差を付けられた馬で、この辺りからもアリストテレスの好走の気配がありましたね。良馬場まで回復していますが、タイムからもパンパンの良馬場ではなく、力の要る良馬場だったことが伺えます。昨年と同じような馬場状態だったのではないでしょうか、昨年も前日が稍重で当日が良馬場でしたからね。では何でヴェルトライゼンデが凡走したのか?そこは後程。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は2019年菊花賞のグラフです。
グラフからは昨年と同じようなペースだったことが分かりますね、昨年のレースの上り3Fは36.2、1着ワールドプレミアの上り3Fは35.8なので、コントレイルは古馬相手にもやれそうですね。
レース名 走破時計 後半1000m 2着との差
東スポ杯 1:44.5(スローバランス) 57.4 0.8秒
ホープフルS 2:01.4(平均) 60.5 0.2秒
皐月賞 2:00.7(ハイペース) 60.9 0.1秒
ダービー 2:24.1(スロ) 58.4 0.5秒
神戸新聞杯 2:12.5(平均) 60.3 0.3秒
菊花賞 3:05.5(スロー) 60.7 0.0秒
コントレイルという馬は後半の1000mが速い方が2着との差が大きくなり、平均やハイペースバランスでもしっかりと勝ち切る。菊花賞で苦戦した理由はこの辺りにありそうで、コントレイルという馬は心肺機能、AT値(無酸素性作業閾値)が異常に高いのだと思います。後半5Fのロンスパになると当然すべての馬が苦しくなります、しかしこの馬はL2で更にギヤを1枚上げられる。平均やハイペースバランスで前半から速いラップを踏んでも、基本的な心肺機能が高いために後半他の馬が垂れても、この馬はスピードを維持してしまうんでしょうね。今回苦戦したのは、スローバランスで後半の1000mも60.7と遅かったために、長距離適性の有るアリストテレスに粘られてしまいました、さらに良馬場でもかなり重い馬場だったために、コントレイルのスピードが殺された感じでした。恐らくコントレイルは、心肺機能では一杯になっていないのではないでしょうか。
福永騎手の乗り方は安全運転でした、この乗り方は圧倒的な人気馬で今までのレース振りを見れば仕方ないのですが、今後は道悪での3F戦になると取りこぼしそうな気がします。コントレイルの母系はアメリカのスピード血統ですから(亀谷さん言ってた)、道悪になってトップスピードの質が問われず、スローからの3F戦やL2最速戦では心肺機能も問われずでは、コントレイルの良さが出ませんからね。
逃げたのはキメラヴェリテ、やや離れて2番手にバビット、更にやや離れてレクセランス。メイン集団の前からガロアクリーク、ディープボンド、中段のやや前からダノングロワール、コントレイル、アリストテレス。中段からヴァルコス、ディアマンミノル、サトノインプレッサ、ヴェルトライゼンデ、中段のやや後ろからロバートソンキー、ブラックホール。中段の後ろからサトノフラッグ、後方からマンオブスピリット、ビターエンダー、ターキッシュパレスという並びでした。
キメラヴェリテはスタートイマイチでしたが、やることは一つとばかりに押して押して無理やり逃げ体勢を築きました。やや離れてバビットが追走しました、この辺り内田騎手がハナに拘らなかったですね。レクセランスは松山君のアイデアなのか、厩舎側のアイデアか分かりませんが工夫してきましたね。皐月賞、ダービーで二桁着順ですし、前走の神戸新聞杯でも勝負になりませんでしたから、こういう工夫は好印象です。
メイン集団の先頭から進めたのがガロアクリークで、ディープボンドも外から牽制する形でした。この2頭を壁にしてコントレイルが居て、やや行きたがるところも見られましたね。コントレイルをベタマークしたのがアリストテレスで、終始コントレイルにプレッシャーを掛け続ける、ルメール騎手の執念を感じました。岩田騎手らしい位置取りをしたのがヴァルコスで、1周目のスタンド前で1頭だけ内目を通して、1コーナーで中段のやや前まで進出しました。ただ終始内の馬場が悪い部分を通したことは、一か八かでもやり過ぎ感がありますね。
ヴェルトライゼンデは中段からで、終始スムースなレースが出来ましたね。中段の後ろからで動かなかったのがサトノフラッグで、これは戸崎騎手の好判断ですね。逆に3コーナー手前で動いたのが、後方に居たビターエンダー、マンオブスピリット、ターキッシュパレスでした。この3頭は直線伸びずに凡走しています。
3コーナーから4コーナーです、キメラヴェリテがお仕事終了で下がっていきます、やや外からバビットが交わしに行き、ガロアクリークはディープボンドに合わせる形でバビットの外を通しました。これでコントレイルのコースが空きましたね。アリストテレスもコントレイルの外からスムースに直線に入れました。早目に動いたマンオブスピリットが、ヴェルトライゼンデの外まで上がり、ビターエンダーは内から中段に取り付きました。
サトノフラッグはマンオブスピリットを行かせて動かず。ヴェルトライゼンデとサトノインプレッサはスムースに直線に入ってきます。内の馬場が荒れていたこともあり、馬群は外に広がったのでコーナーで狭くなる馬は居ませんでしたね。
直線L2標識付近です、バビット、ガロアクリーク、ディープボンドが中目から先頭、外からコントレイルとアリストテレスが加速体勢。やや離れてダノングロワールが続き、あとは横並びでした。この辺りからサトノインプレッサとヴェルトライゼンデのスピードが鈍り、サトノフラッグのコースがポッカリと空きます。内は馬場が荒れていたからか伸びませんでした。
直線L1標識付近です、コントレイルとアリストテレスが馬体を合わせて抜け出します、ここからゴールまでこの2頭はびっしり合わせてクビ差でした。バビット、ガロアクリーク、ディープボンドの3頭は、ディープボンドに軍配が上がりましたが、これを外からサトノフラッグが差し切り、ブラックホールも続いて5着に入りました。ブラックホールは道中動かず、直線だけの競馬に徹しましたね、サトノフラッグとの差はレース間隔でしょう。
では1頭づつ見て行きます。
1着はコントレイル、危なかった、馬場を含めてこの馬には苦手な展開でしたね、今回のレースでこの馬の弱点がはっきりしたと思います、ただしそれを福永騎手が認識しているかはわからないので、弱点を克服する乗り方をするかどうかは未知数です。パワーについてもやや低い感じがありますね、ダービーでL2の坂地点で反応がイマイチでしたし、東スポ杯でもムーア騎手が鞭を連打していたのは、この辺りを見越しての気合い注入だったのかもしれませんね。なので取りこぼすとしたら中山や阪神の道悪かな~っと。
2着はアリストテレス、古馬混合の条件戦を勝ち上がってきましたが、相手関係や勝ち方からは地味な印象が拭えず、リンカーンの近親という部分が覚醒したかなという感じですね。もちろん展開が向いたこともありますし、コントレイルに展開が向かなかったこともあるでしょう。スローからの3F戦は小牧特別、出雲崎特別で1着ですが、4F戦になるとすみれSでレクセランスに差されて2着、プリンシパルSでは凡走なので、スローからの3F戦がこの馬の好走パターンなのでしょうね。フィエールマンを弱くしたような感じですね。
3着はサトノフラッグ、道中は中段の後ろからで足を溜めたのが嵌りましたね、この馬も馬場状態に助けられた1頭で、前走もそうですがとにかく重い馬場でこその馬、道中動かなかったことと、直線一番いいコースが空いたことでの3着でした。今後は高速馬場で消し、道悪や重い馬場で期待でしょうね。
4着はディープボンド、正攻法のレースをしてシッカリ4着ですから、内容は良かったですね。最後の最後にどうしても甘くなってしまうので、今後も1着は期待薄かな~。こういう好走すれども勝ち切れずって馬、結構居ますよね。
5着はブラックホール、中段のやや後ろから馬場の良い外目を通していて、直線まで動かずでした。この馬も馬場の恩恵があった1頭ですね、サトノフラッグとの差はレース間隔だと思うので、次に間隔空けずに使ってきたら面白いと思います。
ヴェルトライゼンデは7着でした、色々と敗因を考えたのですがどうもしっくりきませんでした。まず仕上げ失敗の可能性ですが、3流厩舎ならいざ知らず池江厩舎なのでこれはないと思います。距離適性と馬場適性もお兄ちゃんがワールドプレミアなので、敗因としてはしっくりきません。そこで改めて戦績を見ていて気付いたのが〇✕の戦績、神戸新聞杯から中1か月でストレスがあったと考えるとしっくりきます、お兄ちゃんのワールドプレミアも〇✕の戦績ですから、敗因は自身にありそうですね。
サトノインプレッサはパドックから汗が多かったので、体調イマイチだったかもしれません。バビットは調教から良くなかったし、当日もマイナス12㎏とこちらも体調の問題でしょう。
馬券の方は2着に選んだ馬が凡走でハズレ、土曜日も含めて多くを学べた週末でした。これを来週以降に生かせるよう頑張ります。